筋肉を強く揉む理由?

肩こりで筋肉を強く押さなければいけない理由って何でしょうか。色々な雑誌やメディアで「強い刺激のマッサージが身体に良くない」事について記事になることもあり、以前より周知されるようになったのかも知れません。

「そこを強く押して欲しい!」とか、「もっと強くストレッチしてほしい!」など、身体に良くない事は知っているにも関わらずどんどん強い刺激を求めてしまうのはどうしてでしょうか。

強い刺激(イタ気持ちいい)の入力があると、脳からドーパミンをはじめとする「快楽」を感じる物質が出ます。神経が興奮して「気持ちいい!」という感覚が起こります。当然その現象をまた経験したいという欲求にも駆られます。この「ドーパミン」という物質は自分の投稿に「いいね!」が付いた時のうれしい気分、ギャンブルで勝ったとき、様々な依存などにも深く関わる神経伝達物質です。

ドーパミンが放出されるほど私達はその行動を求めるようになります。仕事が上手くいったときなどにも放出され、普段は意欲的に活動するためのきっかけになる物質ですが、過剰な分泌は報酬系の脳内回路を狂わせてしまうようです。「もっと強く押して欲しい」そのように渇望する脳を再教育し、通常運転に戻すためにはその刺激と接触しないことが一番です。つまり「痛い・イタ気持ちいい」刺激を身体に与えることを一切やめてしまうことです。

例えば自宅の水道管が壊れて水が噴き出しているとします。そんな時、まずしなければいけないのは水が噴き出して濡れた個所をタオルで拭くことではないように思います。
水道管から水が噴き出ているのですから拭いても拭いてもすぐそばから床が濡れます。この場合、まずしなければいけないことは蛇口なり、元栓なりを閉じることだと思います。
あなたも水道管が破裂した下で床を拭いている友人を見かけたらまずは元栓を閉めることを勧めるのではないでしょうか。

そもそも筋肉が硬くなっているのは身体を守るための自己防衛反応が働いているからです。押されたり、叩かれたり、引っ張られたりしたときに神経が傷つかぬようにそれに備えて筋肉が硬くなって守っています。なのに強く押したり、叩いたり、引っ張ったり…。強く揉むことで上述のような脳内物質が分泌され、一時的に痛みや違和感が楽になったように感じたり、身体が軽く感じるかも知れません。ですが、結果的に身体は傷つき、痛みやコリを感じやすい体の状況に変えてしまいます。長期的に見ると何も良い事が無いのです。

結論をお話しますと長期的な鎮痛やコリの改善を目的とするなら、痛みを伴う施術は選ぶべきではありません。また「肩こり」を解消するために強く刺激する必要は全くありません。快楽をビジネスにする巨大な「ドーパミン経済」にいいようにされないためにも、余計な刺激を身体に与えない自然な整体を試してみませんか?

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