私達の身体が強い衝撃などで外傷を負うと、まず末梢神経の自由神経終末（神経の先端部分）が刺激され、侵害刺激を受けたことを知らせる信号を発します。また、損傷した細胞から発痛物質が放出され神経終末はこの化学物質にも刺激されてさらに信号を発します。神経は機械的刺激や化学物質に繰り返し刺激されて過敏に興奮した状況になります。その結果、組織損傷が起こる前に比べて同程度の刺激（熱刺激や機械的刺激）に対して過敏に反応するようになります。このような状態を末梢性感作といいます。
末梢性感作から中枢性感作へ
末梢性感作によって、末梢神経から入力される侵害刺激は増えます。そしてこれらの刺激の情報は何度も脊髄や脳を通ることになります。つまり、中枢神経の興奮も過敏になってしまいます。これを中枢性感作と呼びます。