肩の痛み・肩のコリ

一般的な肩の痛み・肩のコリを伴う疾患やケガ

肩こりについて
肩こりとは後頸部から上背部にかけての筋緊張や鈍痛などの症状の総称です。原因疾患が認められる症候性肩こり、原因疾患が認められない本態性肩こり、ストレスやうつ、自律神経障害により生じる心因性肩こりに分けられます。肩こりの多くは本態性肩こりといわれています。本態性肩こりの原因としては頸部や背部が緊張するような姿勢で頻繁に作業があったり、長時間の同一姿勢、同じ方向の方にカバンをかけたり、冷房が直接あたるなどのストレスが関係するとされています。

肩関節周囲炎(五十肩・四十肩・凍結肩・癒着性関節包炎)について
四十歳代、五十歳代を中心として、運動時の肩の疼痛や安静時・夜間痛などが出現します。肩関節の可動域制限、肩前面を中心に圧痛があります。画像検査では特に異常が認められません。また、肩関節の運動は様々な方向に制限されますが、特に外旋制限のため髪を結う時などの結髪動作、エプロンを結ぶときなどの結帯動作が困難になることが知られています。肩関節周囲炎は炎症期(急性期)、拘縮期(慢性期)、回復期の3つの時期を経て1~4年程度の経過で治癒するとされています。炎症期は夜間痛や安静時通も出現します。期保存療法として疼痛や炎症が強い時期には三角巾などを利用して上肢を安静にします。また就寝時に良肢位が取れるように患側の肩から肘にかけて枕やバスタオルなどを置く工夫をしたりします。拘縮期は肩関節の動きがあらゆる方向で制限され日常生活の動作が制限されるとされています。回復期は疼痛が軽快し可動域が元に戻ってくる時期です。運動療法などを行い可動域を回復させます。

腱板断裂(腱板損傷)について
腱板断裂は中年以降の男性に多いとされます。腱板とは棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋といった肩関節を取り囲んでいる筋肉の事です。腱板は肩甲骨と上腕骨を繋いでいます。腱板断裂はこれらの腱の部分が部分的に、または完全に断裂してしまうことをいいます。症状は肩の疼痛(運動時痛、安静時痛、夜間痛)、脱力がみられるとされます。腱板断裂の原因は肩峰という肩甲骨の部分への繰り返しの衝突や転倒などの外傷によるものなど様々な要因があると言われています。また腱板は加齢に伴う退行性変性により断裂しやすいとされています。住民健診による疫学調査では50歳代は10人に1人、80歳代では3人に1人の割合で腱板断裂が存在することが明らかになっています。また、腱板断裂があっても症状が現れない無症候性断裂がその半分以上を占めています。疼痛の改善が見られないケースや、若年者における外傷性の断裂には手術が検討されることがあります。

石灰性腱炎について
腱板の変性などを基盤として石灰(炭酸アパタイト)が沈着する事があります。沈着した石灰があるとそれを吸収しようとする身体の反応から炎症が起こります。この際には非常に強い痛みを生じることがあります。強い痛みのため肩はほとんど動かすことができず、救急外来を受診される方もおられます。あまりの激痛を訴えられる場合、専門病院での受診をおすすめしています。

上腕二頭筋長頭腱炎について
上腕二頭筋長頭腱炎は、運動に伴って上腕二頭筋長頭腱が通る結節間溝という溝で摩擦が加わり炎症などの障害が起こります。外傷や加齢性の変性、スポーツなどが原因となります。上腕二頭筋長頭腱が断裂すると「力こぶ」の位置が上腕の遠位に下がる徴候(ポパイ徴候)が現れることが知られています。

野球肩
野球の投球動作による肩関節障害の総称を言います。運動時に肩周囲に疼痛がみられます。主に保存療法で改善しますが、難治例は手術療法が考慮されます。

胸郭出口症候群
なで肩の20~30歳代の女性(牽引型)、筋肉質の30歳代の男性(圧迫型)に多いとされています。胸郭出口付近で腕神経叢や鎖骨下動脈が牽引や圧迫を受けることにより症状を引き起こすと考えられています。症状は上肢の疼痛やだるさやしびれ、肩こりや握力低下などがみられます。胸郭出口で圧迫または牽引を受ける箇所は主に3箇所あります。斜角筋隙(前斜角筋と中斜角筋のすきま)、肋鎖間隙(鎖骨もしくは鎖骨下筋と第一肋骨のすきま)、小胸筋下の間隙(小胸筋の下のスペース)です。牽引型では荷物を手にぶら下げたり、長時間のデスクワークなどが症状に影響している場合があります。圧迫型では上肢を挙上させる作業などが症状に影響している場合があります。ほとんどが保存療法を行いますが、圧迫型の重症例では手術療法が考慮される場合があるとされています。

参考書籍:
・岡庭豊/病気がみえるvol.11 運動器・整形外科/メディックメディア
・標準整形外科学 第13版/医学書院

こんな肩の痛みや違和感でお悩みの方が来院されています。

  • デスクワークを続けると首や肩に重だるさを感じる。
  • 台所仕事の最中に首や肩がつらくなって集中できない。
  • 痛み止めを飲んでも効果があまり感じられない。
  • いくらマッサージを受けても一時的。根本的に良くしたい。
  • 就寝中、肩の痛みで目が覚めることがある。
  • 手先が冷たい気がする。
  • 腕や手がしびれる事がある。
  • 腕を腰に回せない。
  • 髪の毛を洗うのに苦労する。
  • 仕事や家事などのストレスが原因な気がする。

あんのん接骨院の徒手療法を試してみませんか?

「痛みは神経系の中にあります」
「神経系」を省いて「痛み」の現象を説明する事はできません。考えてみると、痛みや違和感のような感覚を認知する役割を果たしているのは脳を含む神経系以外にありません。つまり「痛み」を考える場合、神経系を中心に考える必要があります。筋肉や筋膜、関節といった組織を変えようとするのではなく、脳を含む神経系の状況を変えることに焦点を置きます。

末梢神経や皮神経にアプローチします
神経系の役割は身体の内外からの情報を脳に入力し、それに応じた情報を出力することです。「痛み」は脳からの出力情報です。この脳に直接的に繋がっているのが末梢神経や皮神経です。当院では、痛み・コリ・しびれに悩む患者様の末梢神経や皮神経にやさしい徒手アプローチを行うことで中枢神経(脳・脊髄)からの出力を変化させるきっかけを与えます。

やさしくアプローチする理由
出力される「痛み」の情報を変えようと思うと、体に入力する情報に配慮する必要があります。例えば、痛い刺激のアプローチのように「組織を傷つけられるかもしれない脅威(侵害刺激)」を入力情報として受け取った脳や脊髄はそれをどう認知し、出力する可能性があるでしょうか。痛みの問題を根本的に解消するためにはその方の快適な感覚を大切にし、アプローチは痛みをはじめ不快な感覚になりうる刺激を入力しないことが重要と考えています。

アプローチがどのように効果として現われるでしょうか。
アプローチで痛みが減る鎮痛効果は中枢神経の働きによるものがあります。痛みは脳から出る「薬(神経伝達物質)」によって調整されています。

皮膚に接触し徒手でアプローチをすると、様々な薬が脳から出ます。例えばアプローチの途中、リラックスして眠気を催す場合がありますがこういった時にはオピオイドと呼ばれる薬が脳から出ています。このオピオイドは鎮痛作用や心地よさ、眠気を催したり、安心感を促す効果があります。
※オピオイド・・・βエンドルフィン、エンケファリン、ダイノルフィンなど。

この他にも、ストレス反応を減少させる薬、幸福感を増加させる作用のある薬など、私達の身体や気分に影響する様々な「薬」が脳の様々な神経核から出ています。「気分が晴れた」「痛みが減った」「動かしやすくなった」「ほっこりした」など、アプローチによる身体の変化は脳から出る様々な薬(神経伝達物質)によってもたらされています。

疼痛科学に基づく徒手療法DNM
いくらマッサージしてもらっても良くならなかった方、一通りの治療は試してみたけど改善しなかった方、強い刺激の施術を受けても効果が一時的だった方へ。
あんのん接骨院では既に科学的に確認された結果に基づき、皮神経と末梢神経へアプローチし「脳を含む神経系を変化させる」という今までの徒手療法の常識には無かったアプローチを実践しています。あなたの痛み・コリ・しびれに疼痛科学に基づく徒手療法を試してみませんか?※こちらもチェック→DNMについて