ニューロマトリックス理論

ニューロマトリックス理論
1990年にロナルド・メル ザック氏によりニューロマトリックス理論が発表されました。この理論では痛みは身体の内外から入力される感覚の情報と、脳内にある過去の記憶や情動の情報、予測などが統合・処理され脳から出力されるということを明らかにしました。例えば「痛み」はただ単に、脳に「入力された情報」が痛みを引き起こしている訳ではなく、脳のニューロマトリックスで情報が混ぜ合わされ、脳から「出力される情報」が痛みだというところがポイントです。

痛みは損傷などの原因による感覚入力により直接生成されるのではなく、脳内に分布する神経ネットワークの出力が生成しています。また、その出力パターンは、「身体ー自己ニューロマトリックス」に集まる様々な影響によって決定されていて、私達が感じている侵害刺激(機械的・化学的・熱刺激による痛みをおこしうる刺激)と呼ばれる体性感覚の情報はその一部でしかありません。

参考:Pain and the neuromatrix in the brain/R Melzack