「骨盤矯正」は意味がありませんよというお話。

骨盤矯正を気に入って受けている方々、嫌な気持ちにさせたらごめんなさい🙏
少し長文になりますが、それでも良ければこの後も読んで下さい。

今から話す事は少しショックかも知れませんし、私自身も骨盤矯正では無いですが
姿勢と痛みについては勉強してきた立場でしたので考えさせられる内容でした。

実は、骨盤は歪みませんし、腸骨の高さが左右で違うとか、
前に捻れてるとか、後ろに倒れてるだとかはたいてい正常な身体の防御反応(逃避反射)です。
痛みがあると防御反応で姿勢が変化することが知られています。
さらに言うと、痛みは感じなくても、例えば肩こりも防御反応です。
「不快な刺激から身体を守らないと!」と筋肉を収縮させる身体に元から備わる反射です。

それを手で、一時的に真っ直ぐにしたとしても原因が解決した訳ではありません。
また、根本的な解決にはなりません。
そうではなく「なぜそうなるのか」を考える方が大切です。

そうそう、
私が身をもって経験したことを一つ。
一度「ぎっくり腰が一発で治る骨盤矯正」を受けた事があります。
そうです、私がぎっくり腰(急性腰痛)になった時です。
疼痛性側湾が確認できる状態で行ってきました。
※疼痛性側湾…急性期の際に痛みのために一時的に身体が歪む現象。

ボキボキ!してもらってすぐ「あ、先生上手!楽だ!真っ直ぐ立てるわ、凄い!ありがとう!」
と思ったのですが、時間を測ると28分で元通りになり、元の激痛が襲いました。

風邪の時に鼻水が出るのが当たり前のように身体にとっては
身体を守るために歪むのが自然です。

痛みと構造の問題は実際は別の問題として考えるべきだと思っています。

「骨盤矯正」をする人、信じている人が主張する
「骨盤が歪んでいるから痛む」という仮説ですが、
「痛んでいるから歪んでいる」の方が事実を言い当てています。

街には姿勢を矯正するストレッチやボキボキする整体がありますが、
「姿勢を良くすれば痛みが良くなる」と主張し、
原因にアプローチせずに、結果にアプローチをかけています。

風邪の時に鼻をかんだからって、
風邪が治りますでしょうか。
鼻水は結果であり、
原因ではありませんよね。

同じように、歪みという現象は結果であって、原因ではないと考えます。

大切な部分ですが、例えそのアプローチに効果があったとしても、
骨盤が矯正されたから効果があった訳ではありません。
その矯正の操作が神経系に影響したから効果が出ているのです。
※ここでの「効果」は痛みが改善する事を想定しています。

何だかこれだけだと
「べつに、効いたら良いではないか」と聞こえてきそうですが、
焦点が違うことは致命的です。

いつまでたっても歪みが症状の原因だと
患者さんもセラピストも本気で考えていると、あーでもないこーでもないと、
関節を鳴らし続けますし、患者さんもくたくたになるまで関節を鳴らされ続けます。

骨盤矯正の概念こそが真理だとばかり考え、
そこに焦点を置いている限り、患者さんもセラピストも
「どうして歪みが取れているのに痛みが良くならないのか…?」
といった疑問が頭をよぎり続けます。

そして、自分が立てた推測通りの介入で
患者さんの症状が改善したりすると
これはこれでまた大変です。
「思った通り、やはりこれが原因だったのか!」
と考える事になってしまってますます
骨盤矯正にのめり込む羽目になってしまいます…。

骨盤矯正に限らず、他の徒手療法でも一緒の順番で
「前後即因果の誤謬」が起こり得ます。
気を付けないといけない事ですが、
その気持ちは痛いほど分かります…。

そして、セラピストが患者さんにも
「やはりこの歪みが原因でした!でも矯正できていますから安心して下さい!」
なんて話すもんだから患者さんも本当にそうなんだ!と信用します。

ここで、この「悪い循環」と言っても過言ではない流れを考えてみて下さい。
でかでかと「骨盤矯正」と書かれた看板が街の至る所に目立つようになった事は、
この循環が広まる力を表しています。
ここまでステレオタイプ化されてしまうと
セラピストを含め皆疑わないものなんですよね…。

ほとんどの方々が
「骨盤矯正は骨盤が矯正されて効果が出ている訳ではない」
だなんて思ってもみない訳です。

付け加えて痛みは脳からの出力です。
痛みの問題を解決するには脳を含む神経系の状況が
どうすればどう変わるかを考えるべきで、
痛みを持つ本人の脳の状況に合わせる配慮が必要だと思います。

少しでも疑問を持つ目が広まればと思い書いてみました。
最後までありがとうございました😊

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