階段の前に立ったとき、
「今日はちょっと不安だな」
そんな気持ちになったことはありませんか?
膝に痛みがある方にとって、
階段はただの移動手段ではなく、
体も気持ちも身構えてしまう場所になりがちです。
あんのん接骨院でも、よくこんな声を聞きます。
- 上るのがつらい日と、下りが怖い日がある
- どちらの足から出したらいいのか分からない
- 頭では対処法を知っていても、痛みや怖さが先に出て、体が止まってしまう。
今日は、
「階段と膝の痛み」について
体の仕組み → それだけでは説明できない部分 → 神経の視点
という順で、なるべく分かりやすく整理してみます。
そもそも、なぜ階段は膝に負担がかかるのでしょうか?
平らな道を歩くときと比べて、
階段では膝の役割が大きく変わります。
階段を上るとき

階段を上るということは、
自分の体を一段上に持ち上げる動作です。
このとき主に働くのが、
太ももの前側にある筋肉(大腿四頭筋)と膝関節です。
体重を支えながら身体を持ち上げるため、
膝には歩行時よりも大きな力がかかります。
階段を下りるとき

一方、下りでは
体が下に落ちるのをブレーキで止める役割が必要になります。
衝撃を受け止める場面が多く、
膝や股関節には、上るとき以上のストレスがかかることもあります。
このため、
- 変形性膝関節症
- 半月板のトラブル
- 膝周囲の違和感や不安定感
がある方では、
階段で痛みや怖さを感じやすくなります。
「どちらの足から出すか」で迷ってしまう
多くの方が迷うのは、
「痛い足をかばうべきか」
「痛くない足を使うべきか」
この2つが頭の中でぶつかるからです。
実は、ここには
体の仕組みとして考えやすい“目安”があります。
階段での基本的な考え方
言葉にすると、こうなります。
👉 上るときは、力を出しやすい足から
👉 下りるときは、支えになってくれる足を後に
上るとき
まず、痛みの少ない足を一段上に出します。
その足で体を支えながら、もう一方の足をそろえます。
体を持ち上げる役割を
安心して力を出せる側に任せるイメージです。
下りるとき
先に、痛みのある足を下へ。
そのあとで、痛みの少ない足が体を支えます。
こうすることで、
体重を受け止める役割を
安定している側に任せやすくなります。
※「絶対こうしなければいけない」というルールではありません。
あくまで、体への負担を減らすための一つの考え方です。
杖や手すりは「甘え」ではありません
杖を使う場合は、
痛みの少ない側の手で持つと、体が安定しやすくなります。
また、手すりがあるときは、
ぜひ使ってください。
体重を分散できるだけでなく、
「支えがある」という安心感そのものが、
動作を楽にしてくれることも多いと思います。
説明しきれない膝の痛みがあります
ここまでのお話は、
骨・筋肉・関節といった
体の構造や力のかかり方を中心にした痛みの説明でした。
ですが実際には、
- レントゲン画像では問題がないのに、階段の昇降が痛い、怖い。
- 日によって、同じ階段なのに痛み方が違う。
- 逆に、膝関節に大きな変形があるのに、痛みはない。
こうしたケースを、たくさんお聞きします。
つまり、膝の痛みを構造的、バイオメカニクス的な要因だけで説明しようとしても、
それだけでは足りない場面があると思います。
👉色々な痛みのヒントになる症状別ページはこちら
症状別ガイドのページ
痛みを決めているのは「膝」だけではありません
痛みは、膝の中で直接生まれているわけではありません。
最終的に「痛い」と判断して、作り出しているのは脳を含む神経系です。
- これまでの経験
- 過去に強く痛んだ記憶
- 不安や緊張
- その日の体調
こうした情報をまとめて、
神経が「これは危険かもしれない」と判断した結果として、
痛みや怖さが現れることがあります。
骨折や捻挫も、状況や人によっては痛みを感じないこともあります。
「構造の破綻は痛みの“材料”にはなるが、“最終決定者”ではない」といった感じです。
そのため、「構造やバイオメカニクスの破綻=痛み」
だとは言い切れないと、日々の臨床で感じています。
DNMという徒手療法
DNM(Dermo Neuro Modulating)は、
皮膚を介して脳を含む神経系にやさしく働きかけ、
身体の感覚を学習しなおすきっかけを与える徒手療法です。
「階段がつらい」の背景に、
神経の過敏さや、動作への警戒が関係している事があれば、
この視点が役に立つことも少なくありません。
「年齢のせい」「軟骨のせい」「筋肉のせい」「姿勢のせい」と
一言で片づけてしまう前に、
今の自分の神経系が、からだ内外の環境について何を感じ、どう反応しているのか。
その整理を、当院でやさしく一緒に行えたらと思っています。
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