親指から中指にかけてのしびれ。 朝起きたときに手がこわばる感じ。
「このまま悪くなるのかな」「使いすぎたせい?」 そんな不安を感じて、このページを開かれた方も多いと思います。
今回は正中神経の障害のひとつである『手根管症候群』について、できるだけやさしく説明していきます。
手根管とは?|手首にある小さなトンネル
手首の内側には「手根管(しゅこんかん)」と呼ばれるトンネル状の空間があります。
- 下側: 手首の骨(手根骨)
- 上側: 横手根靭帯(おうしゅこんじんたい:屈筋支帯)
これらに囲まれた、幅があらかじめ決まっている通り道です。
この中を通っているのが、
指を動かす「9本の腱」と「正中神経」です。

たとえるなら、たくさんの人が行き交う地下通路に、電気ケーブル(神経)が一緒に通っているような状態。
通路がむくんだりしてぎゅうぎゅうに混み合ったりすると、繊細な正中神経が圧迫されたり、摩擦を受けたりして影響を受けやすくなります。
ただし、ここは
正中神経が通る“全ての狭い場所”ではありません。
実際には、正中神経は上腕から手に向かう途中で、
いくつもの組織の下や間をくぐりながら走行しています。
たとえば、上から順に見ていくと、
- ストラザーズ靭帯(上腕の内側にみられることがある靭帯様構造)
- 上腕二頭筋腱膜(力を入れて肘を曲げたときに張る膜)
- 円回内筋(前腕をひねる動きに関わる筋肉)
- 浅指屈筋腱弓(浅指屈筋の3つの筋頭のうち2つの筋頭が合流することでできる、弓状の通路)
- 手根管(手首で正中神経が通るトンネル)
- 深横中手靭帯(手のひら側で、指へ向かう神経や腱の動きを支える靭帯)
といった構造が、
正中神経の通り道に関わっています。
つまり正中神経は、
一本の長い道の途中で、いくつもの「狭い道」を通っている
と考えるとイメージしやすいかもしれません。
手根管症候群でみられやすい症状
手根管症候群では、次のような症状がよく知られています。
- 親指・人差し指・中指のしびれや違和感
- 朝方や夜間に症状が強くなる
- 細かい作業がしにくい(ボタン留め、スマホ操作など)
- 手に力が入りにくく感じることがある
※小指側が主にしびれる場合は、別の神経が関係している可能性もあります。
※症状の強さや出方には個人差があり、 すべての方が同じ経過をたどるわけではありません。
何が原因と考えられているの?
手根管症候群は、ひとつの原因だけで起こるとは限らないと考えられています。
例えば、研究などでは次のような要因が関係する可能性が示されています。
- 手首周囲のむくみ(妊娠・出産・ホルモン変化など)
- 繰り返しの手作業や長時間の同一姿勢
- 腱や周囲組織の炎症
- 糖尿病や関節リウマチ
大切なのは、「あなたの身体の使い方が悪かったから起きた」と単純に言えるものではないという点です。体の条件や生活環境が重なった結果、 神経が少し窮屈になっている状態と考えられています。
神経の視点でみる、しびれや痛み
神経は、触覚や動きの情報を脳に伝える役割を持っています。
圧迫や環境の変化が続くと、
- 情報を過敏に伝えやすくなる
- 実際の刺激以上に不快感として感じる
といった変化が起こることがあります。
これは「組織が損傷しているから」というより、 神経が身を守ろうとして敏感になっている状態と考えられます。
症状が進んだ場合にみられること
手根管症候群が長く続いたり、神経への負担が強い状態が続くと、
次のような変化がみられることがあります。
物をつまむ力が入りにくい
親指の付け根(母指球)がやせてきたように見える(猿手)
親指と人差し指で、きれいな「○(パーフェクトO)」が作りにくい

このような変化がみられる場合は、専門の医療機関で、
神経の状態を一度しっかり確認してもらうことが勧められます。
すぐに手術が必要になるという意味ではありません。
ただ、状態を把握したうえで、その後の関わり方を考えていくことが大切だと考えます。
日常生活でできる、やさしい工夫
手首を強く曲げた姿勢が長く続くと、
手根管の中が少し窮屈になり、
しびれが出やすくなることがあります。
また、同じ作業、同じ手の使い方が続くと、
神経のまわりの環境が長時間、緊張した状態です。
スマホやパソコン作業の合間に、
一度手を休めるだけでも意味があります。
冷えによって症状が出やすくなる方もいるため、
手を冷やしすぎないことも、ひとつの工夫です。
これらは「必ず守らなければいけないルール」ではありません。
無理のない範囲でやってみてはいかがでしょうか。
当院で大切にしている考え方
あんのん接骨院では、
神経系のはたらきそのものに目を向ける
DNM(Dermo Neuro Modulating)という考え方を取り入れています。
DNMは、強い刺激を加えたり、
無理に体をストレッチしたりする方法ではありません。
皮膚にある皮神経や末梢神経を介して、
神経が受け取る情報の伝わり方に変化が起こる可能性に注目します。
「どこかを押して、伸ばして、姿勢や構造を変えて治す」という考え方より、
神経が過剰に反応しなくてもよい状態を一緒に探していくような関わり方です。
すべての症状に効果を保証できるものではありませんが、徒手療法(整体)を選ぶ際のひとつの視点・選択肢としてお伝えしています。
知っていることが多いと、不安がやわらぎます
- 手根管症候群は、正中神経が影響を受けやすい状態のひとつです
- 原因はひとつではなく、重なり合って起こることが多いと考えられています
- あなたが悪いわけではありません
体の仕組みを知ることは、「どうしよう…」という不安を「どう向き合おう」に変えてくれます。
また、施術の方法も納得したうえで受けていただく方が良いと思います。
初めての方に読んでいただきたい案内ページも作っています。
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お気軽に、いつでもご相談ください。
参考文献
手根管症候群に関しての文献レビュー:
I Ibrahim, et al.Carpal tunnel syndrome: a review of the recent literature
※総説論文(レビュー)を参考にしました。
フルテキストURL:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3314870/
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