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腰痛と上殿皮神経(じょうでんひしんけい) ―座りっぱなしや立ちっぱなしでつらくなる理由をやさしく解説―|西院のあんのん接骨院

目次

上殿皮神経(じょうでんひしんけい)って、どんな神経?

上殿皮神経は、腰からおしりの上の皮膚にかけて分布している皮神経です。
筋肉を動かしたり、力を出したりする神経ではなく、「触られた」「引っぱられた」「違和感がある」といった感覚を伝える役割を担っています。

この神経の通り道が刺激を受けることで、腰まわりの痛みや違和感に関わっている可能性があることが報告されています。上殿皮神経障害が慢性腰痛や下肢症状の一因になりうることは、前向き研究やレビューでも扱われています。

どこを通っているの?

上殿皮神経は、腰のあたりから出て、背中側を斜めに下り、骨盤のふちである腸骨稜のあたりをまたぐように通って、おしりの上の皮膚へ向かいます。
ちょうど、ズボンのウエストのゴムが当たるあたりをイメージすると、分かりやすいかもしれません。下の図でも、背骨の近くから出て腸骨稜をまたぎ、おしりの上の皮膚へ向かう流れとして紹介しています。

なぜ「影響を受けやすい」のでしょうか

上殿皮神経の特徴のひとつは、骨や筋膜の近くを通ることです。
また、腸骨稜まわりの通り道の関係から、上殿皮神経は影響を受けやすい可能性があることが解剖学研究で示されています。解剖学研究では、内側枝が骨線維性トンネルを通ることがあり、絞扼部位になりうることが示されています。

長時間の座り姿勢、立ちっぱなし、長距離の歩行、姿勢のクセ、体をひねる・反らす動きなどで、腸骨稜まわりへの負担が続き、上殿皮神経の通り道が刺激されやすくなる方もいます。
ただし、これだけで痛みの理由をすべて説明できるわけではありません。こうした姿勢や動きによって腸骨稜まわりに負担がかかる可能性もあります。

神経線維の本数や位置は、人によって違います

ここも大切なポイントです。

上殿皮神経は、片側に複数本あることが多く、通る位置や角度にも個人差があります。
つまり、同じ場所に同じように神経があるとは限らず、同じ刺激でも感じ方が同じになるとは限りません。
上臀皮神経は片側に3〜6本ほどあり、位置や角度に個人差があります。解剖学研究でも走行や枝の違いが報告されています。

なぜ「この神経が原因だ」と単純には言えないのか?

上殿皮神経の本数や走行に個人差があるというだけでも、痛みの説明は単純ではありません。
さらに、痛みは神経がそこにあるだけで決まるものではなく、脳を含む神経系全体の働きの中で生じる体験です。

痛みは、ただ神経を伝わって脳に届く「信号」ではありません。
末梢の神経や脊髄からの情報だけで決まるものではなく、今までの体験や文脈、そのときの予測なども含めて、脳を含む神経系全体の働きの中で生じるものです。同じ刺激でも人によって痛みの強さや感じ方が変わること、脊髄や脳での情報処理が関わります。

そのため、同じ場所に似た刺激があっても、人によって痛みの出方や強さが違うことがあります。
だからこそ、「この場所を押したら必ず痛い」「この神経が原因に違いない」と単純に言い切ることはできません。
神経の入り口の構造だけでなく、体と脳全体の反応が関わります。

レントゲンで写らないのはなぜか

上殿皮神経はとても細く、皮膚の感覚を伝える神経です。
そのため、一般的なレントゲンやMRIだけでは、上殿皮神経そのものの状態を詳しく評価しにくいことがあります。
レビューでも、診断は画像よりも圧痛点や症状再現、神経ブロックへの反応など臨床所見が重視されています。

そのため、
「画像では大きな異常がない」
でも
「確かにつらい」
という状況が起こることがあります。

その腰の痛みには、画像検査だけでは捉えにくい皮神経の影響が関わっていることもあります。
研究では、腰痛患者の一定数が上殿皮神経障害の基準を満たし、下肢症状を伴う例も報告されています。

「原因が分からない腰痛」に不安を感じている方へ

「レントゲンでは異常がないと言われたけれど、でも確かに腰が痛い」
そんな経験がある方は、決して少なくありません。

痛みが続くと、「どこかが損傷しているのでは」と不安になることもあります。
もちろん、症状によっては詳しい検査や医療機関での評価が大切な場合もあります。
そのうえで、画像検査だけでは見えにくい皮神経の影響が関わっていることもあるため、痛みの出方や場所、経過などをあわせてみていくことが大切です。

腰痛について詳しく知りたい方へ

👉 腰痛の症状や当院の施術については「腰痛の症状ページ」をご覧ください。

👉 腰痛の原因や体の仕組みについて詳しく知りたい方は「腰痛の総合ページ」も参考にしてみてください。

👉坐骨神経痛について詳しく知りたい方は西院で坐骨神経痛にお悩みの方へも参考にしてみてください。

やさしく神経に目を向けてみませんか

上殿皮神経が関係していると考えられる痛みでは、神経そのものが大きく損傷しているというより、刺激に対する反応が高まりやすい状態として捉えられることがあります。
そのような場合には、強い刺激で無理に変えようとするよりも、神経系が過度に身構えにくい、やさしい刺激や関わり方のほうが合うことがあります。

当院では、DNM(Dermo Neuro Modulating)という、疼痛科学や神経科学に基づいて開発された穏やかな施術を行っています。腰の痛みや、腰と関係して感じられる脚の違和感についても、体に無理のない施術のひとつとして考えています。

参考

※以下は、特定の施術効果を保証するものではなく、
痛みを理解するための科学的背景として参照しています。

Hiroshi Kuniya, Yoichi Aota,et al.Prospective study of superior cluneal nerve disorder as a potential cause of low back pain and leg symptoms

Hiroshi Kuniya,et al.Anatomical study of superior cluneal nerve entrapment


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