中脳水道周囲灰白質(PAG)は、痛みを消す魔法のボタンのことではありません。
身体の状態を静かに観察しながら、状況に応じて痛みの“音量”を調整する場所です。それがどんな役割なのか、一緒に見ていきましょう。
痛みが続くと、
「どこか悪いところが治っていないのでは」
「このまま良くならないのでは」
と、不安になることがあります。
けれど私たちの身体には、
もともと痛みの感じ方を調整する仕組みが備わっています。
その中のひとつが、
中脳水道周囲灰白質(PAG) と呼ばれる場所にあります。
PAGは身体から上がってくる “報告” を確認しながら、
必要なときに、必要な分だけ、痛みの感じ方を調整する
そんな役割を担っています。
今回は、
・この部位の働きによって痛みがなぜ和らぐのか
・なぜ安心できる刺激が大切なのか
・徒手療法やDNMとこの部位がどのようにつながっているのか
などについて、できるだけやさしく、解説しようと思います。
PAGってどこ?何をしているの?
PAGは「脳の真ん中あたり」中脳にあります
中脳水道周囲灰白質(PAG)は、
脳の中でもちょうど真ん中あたりにある場所です。


考えごとをしたり、
記憶を思い出したりする場所とは違い、
PAGは、自分で意識して働かせることができる場所ではありません。
どちらかというと、
身体の安全を静かに見守っている場所
と考えるとイメージしやすいかもしれません。
ボリューム調整のつまみのような役割
たとえば、
ラジオとか、テレビの音量を思い浮かべてみてください。
音が大きすぎれば、
少し下げたくなりますし、
逆に聞こえにくければ、
少し上げたくなりますよね。
PAGの働きは、
この音量調整のつまみによく似ています。
危険が迫っているときや、
身体が「今は非常事態だ」と判断しているときには、
痛みを感じにくくして行動を優先させることもあれば、
これ以上無理をしないよう、痛みを強めて守ろうとすることもあります。
PAGは、その場の状況に応じて、
痛みの音量を上げたり下げたりしている
調整役のような存在です。
※実際には、脳幹での痛みの調整には
PAG(中脳水道周囲灰白質)や縫線核、青斑核など、
いくつかの神経の中継点が関わっています。
これらは、
「痛みを弱める方向」と
「痛みを強める方向」
どちらにも働く可能性があり、
その時々の身体の状態や状況によって、
バランスが変わると考えられています。
なぜ「安心できる刺激」が大切なのか
ここで、施術やセルフケアとのつながりが見えてきます。
予測できて、
怖くなくて、
「これは大丈夫そうだ」と身体が感じられる刺激は、
PAGを含む痛み調整の仕組みが、過度に警戒しなくて済む条件になります。
静かで落ち着いた空間。
ほんのりとやさしい香り。
強すぎない、ゆっくりした触れ方。
そして、
痛みの仕組みについて説明を聞き、
少し理解できたときの
「なるほど」「ホッとした」という感覚。
こうした要素が重なることで、
痛みの音量を下げる調整が入りやすくなることがあります。
これは
「治してもらったから」
「気合で乗り切ったから」
起こる反応ではありません。
神経系が状況を理解した結果として起きる調整です。
痛みがある=組織が壊れている、とは限りません
PAGの働きを知ると、
痛みについて、少し見え方が変わるかも知れません。
痛みがあるからといって、
必ずしも「どこかが壊れ続けている」
というわけではありません。
身体を守るための機能が、
過敏になっているということもあります。
この視点を知るだけでも、
不安が和らぐ方は少なくありません。
(PAGからの下降性疼痛抑制が発揮されない場合の侵害信号の伝わり)

(PAGからの下降性疼痛抑制が発揮された場合の侵害信号の伝わり)

痛いときに刺激を「強く効かせる」のはデメリットの方が多い可能性
PAGを含む痛みの調整に関わる仕組みは、
「この刺激は安全そうか?」という文脈の影響を受けます。
そのため、
強すぎる刺激や、予測できない操作は、
かえって警戒を高めてしまうことがあります。
ところで、
「イタ気持ちいい刺激」は、
身体によっては警戒を高めてしまう場合もある、
そんな可能性を感じたことはありませんか?
「変化」は命令ではなく、修正作業の結果
施術後に、
- 動きやすくなった
- 痛みが和らいだ
- 呼吸が深くなった
といった変化が起こることがあります。
これらはPAGを含む神経の仕組みが、
「今は少し音量を下げても大丈夫そうだ」
と判断した、
調整の結果として現れている可能性があります。
だからこそ、やさしい刺激を選びます
DNMや徒手療法で、
あえて強い刺激を使わないのは、神経系が安心を認識しやすい条件を整えることが、
結果として、良い変化につながりやすいからです。
はじめての方へ ― あんのん接骨院はこんなところ
これは、「その場しのぎ」や「気のせい」
という話ではなく、神経の働きとして、とても自然な流れです。
西院でやさしい神経ケアをご希望の方は
あんのん接骨院 トップページ
あんのん接骨院の施術の考え方については
👉「はじめての方へ」も参考にしてみてください。
はじめての方へ―あんのん接骨院はこんなところ
あんのん接骨院は予約制
まずは不安をお聞かせください
\無理のない施術で安心を届けます/
施術中・外出中は電話にでられない事がございます。

