「ストレスが強いと、痛みが強くなる気がする」
「不安なときほど、身体の違和感が気になってしまう」
そんな経験はありませんか?
これは気のせいではありません。
痛みと情動(不安・恐怖・安心・怒りなど)は、脳の中でお互いに影響し合う関係にあることが、科学的に分かってきています。
今回は、
- 痛みと情動がどうつながっているのか
- なぜ心の状態で痛みが変わるのか
- それを知ることで、何が安心につながるのか
を、できるだけやさしくお話しします。
参考:Mathieu Roy, et al. Cerebral and spinal modulation of pain by emotions
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痛みは「ケガの大きさ」だけで決まらない
まず大切な前提があります。
痛みは、ケガや組織の状態をそのまま写したものではありません。痛みは、
「脳が、今の状況を総合的に判断して出している“警報”」
のようなものです。
この考え方は、近年の痛みの科学(Pain Science)で広く支持されています。実際に、
- 画像検査では問題がないのに痛みが強い
- 逆に、大きな損傷があってもあまり痛くない
といったことは、珍しくありません。なぜでしょうか?
痛みを作る脳と、情動を感じる脳は近くにある
脳の中で、
- 痛みを処理する領域
- 情動(不安・恐怖・安心など)を感じる領域
は、はっきり分かれて存在しているわけではありません。
特に関係が深いとされているのが、
- 扁桃体(へんとうたい)
- 前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)
- 島皮質(とうひしつ)
といった部位です。
これらは、
- 「危険かどうか」
- 「不安か、安心か」
- 「どれくらい注意を向けるべきか」
を判断する役割を持ちながら、同時に痛みの強さの調整にも関わっています。つまり、
不安になると、体の中では
「痛みを抑えるブレーキ」が効きにくくなります。その結果、同じ刺激でも
痛みが大きく聞こえてしまうことがあります。
ということが、神経系の仕組みとして説明できるのです。
不安や恐怖は、痛みの「音量つまみ」
ここで、ひとつたとえ話をします。痛みを「ラジオの音」だとすると、
- ケガや刺激:音の元
- 脳:スピーカー
- 情動(不安・恐怖):音量つまみ
のような関係です。同じ音源でも、
- 不安が強いとき → 音量が大きく聞こえる
- 安心しているとき → 音量が下がる
ということが起こります。これは研究でも示されており、
- 不安や恐怖を感じているとき
- 痛みに注意が向きすぎているとき
脳の痛み関連領域の活動が高まることが分かっています。
逆に、痛みが情動に影響することもある
ここまで読むと、「情動が痛みに影響する」という一方向の話に見えるかもしれません。
でも実際は、逆も起こります。慢性的な痛みが続くと、
- 不安になりやすくなる
- 気分が落ち込みやすくなる
- イライラしやすくなる
といった変化が起こりやすいことが知られています。これは、
- 痛み刺激が長期間続くことで
- 情動をつかさどる脳の回路にも影響が及ぶ
ためだと考えられています。
参考:M. Catherine Bushnell,et al.Cognitive and emotional control of pain and its disruption in chronic pain
つまり、
痛み ↔ 情動
は、お互いに影響し合う双方向の関係なのです。
「気持ちの問題」ではありません
ここで、とても大切なことをお伝えします。
痛みと情動が関係していると言うと、
「それって、気の持ちようってこと?」
と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、それは違います。
これは、
- 脳
- 神経
- ホルモン
といった、身体の仕組みとして起こっている反応です。
気持ちが「弱いから」「考えすぎだから」と結論付けたい話ではありません。
誰の脳でも、同じ仕組みを持っています。
👉痛みの仕組みについてまとめたページはこちら
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だからこそ、安心が回復の土台になる
この関係性を知ると、
- なぜ説明を聞いて安心すると、少し楽になるのか
- なぜ信頼できる環境だと、身体が緩みやすいのか
が見えてきます。
安心は、
- 痛みを無理に消すものではありません
- でも、痛みの音量を下げる力を持っています
施術や運動、セルフケアがうまく働くためにも、
「脳が危険だと思いすぎていない状態」
を作ることは、とても大切です。
まとめ|痛みと情動を知ることは、自分を責めないための知識
- 痛みと情動は、脳の中で深くつながっている
- 不安や恐怖は、痛みを強める方向に働きやすい
- 痛みが続くことで、情動が影響を受けることもある
- これは「気のせい」ではなく、科学的に説明できる現象
このことを知るだけでも、
「なんで治らないんだろう」
「自分がおかしいのかな」
という気持ちが、少し和らぐかもしれません。
痛みは、あなたの身体が一生懸命守ろうとして出しているサインです。
責める必要は無いと思うのです。
痛みの仕組みについて理解することも、
回復への第一歩になることもあります。
あんのん接骨院の施術の考え方については
👉「はじめての方へ」も参考にしてみてください。
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