※この記事は、日々の施術や学びの中で感じたことを、患者さんにもご自身の身体を理解していただけるよう、私自身の整理も兼ねてまとめたものです。
「脊柱管狭窄症ですね」と言われて、不安になった方
これまでに、
- 「脊柱管が狭くなっています」
- 「年齢的な変化ですね」
- 「いずれ手術も考えるかもしれません」
そんな言葉を聞いて、
「もう良くならないのかな…」
「動いたら悪化するんじゃないかな…」
と、不安になったことはありませんか?
今回は、脊柱管狭窄症と診断を受けたものの、少しずつ楽になっていった方のお話を通して、
痛みとの向き合い方について考えてみたいと思います。
👉色々な腰の痛みについて解説しているページもございます。もしよければご覧ください。
あんのん接骨院の腰痛総合ガイド
まず大切なこと(安全の確認)
肩や腰、脚の痛みやしびれの中には、医療機関での精密な検査が必要な場合もあります。
- 夜も眠れないほどの強い痛みが続く
- 手足に力が入りにくい、感覚がはっきりしない
- 発熱や急激な体重減少を伴う
- 排尿や排便がうまくコントロールできない
(急に尿意・便意がきて我慢できない、出にくい、残る感じがある など)
こうした症状がある場合は、まず医療機関での確認が安心の第一歩です。
この記事は、検査を受け、医学的な問題をパスした上で、
「大きな異常はないと言われたけれど、痛みや不安が続いている」
そんな方に向けたお話です。
ある患者さんのお話
その方は、病院で「脊柱管狭窄症」と診断を受けていました。
画像では、たしかに脊柱管が狭くなっている所見があり、その時に病院ではすでに手術をする予定でお話が進んでいました。
けれど、ご本人が一番つらかったのは、
- 痛みやしびれそのものよりも
- 「動いたら悪くなるかもしれない」という不安
- 今からどんどん悪くなるんじゃないかという不安
でした。
初めてお会いした時は、膝を伸ばした状態でベッドに横になることができませんでした。そうしようとすると、臀部からつま先までが痛んだり、ひどくしびれると訴えておられました。
立ち上がろうとすると、足先まで痛むとのこと。
毎回、することは違っても、施術の軸としては変わらず。ただ、楽な状況を探すだけでした。
最初の方はしばらく頻繁に来院していただいていましたが、立って歩いても「全然平気」となって、状況が良くなるにつれ、来院回数を調整してもらいました。
1週間に2回だったのが、1回。
そのうち2週間に1回に。
ある時、ベッドで横になって施術している際に「そういえば、今こうしてても痛くないわ…。わし、横なったら痛かったやんなぁ?」と、当初痛かったことを忘れるほど自然に仰向けで寝ころぶこともできるようになりました。
現在は、自宅の周辺を散歩したりできるほど、楽になられています。ただ、長く歩くと少ししびれが戻ってくることもあるそうですが、今のところ病院でも手術はせず、このままで様子を見ていこうということになっています。
「構造的な要因が影響していない、という意味ではありませんが、もし、この方の痛みやしびれが、 “脊柱管の狭さ” という「構造的な問題」だけで決まっていたのであれば、ここまで症状が変化することは難しかったかもしれません。
身体に入ってくる刺激を、脳を含む神経系がどのように評価し、
『安全/危険』として反応しているかも、症状の感じ方に影響していると考えられます。
重要なのは、施術で背骨の構造を直接変えたわけではない、ということです。痛みやしびれの感じ方は、
神経系がどのように情報を受け取り、それをどう判断しているかによって、大きく変わります。
この患者さんの場合、身体に入ってくる刺激を、神経系が少しずつ「そこまで強く警戒しなくても大丈夫かもしれない」と学び直していった結果、日常生活の中で感じていた不快感が、次第に和らいでいったのだと考えています。
もちろん、これは施術が病気そのものを“治した”という話ではなく、
身体がもともと持っている調整する力が、安心できるきっかけを得て、うまく働き始めた――
その過程に、「たまたま立ち会っていた」、そんな感覚に近いと思っています。
画像に写るものと、実際のつらさは一致しないことがある
これはとても大切な視点だと思うのですが、
画像に写る変化と、痛みの強さは必ずしも一致しません。
脊柱管が狭くなっていても、痛みがほとんどない方もいます。
逆に、画像上は大きな問題がなくても、強い痛みを感じる方もいます。
つまり、
脊柱管の狭さが症状に影響している可能性はありますが、
痛みそのものは単一の原因だけでは説明できないことが多いのです。
▶︎ 慢性腰痛と神経の関係について、もう少し詳しくこちらで解説しています
痛みは「ひとつの原因」だけで起こるわけではありません
痛みには、
- 身体の使い方
- 疲労の蓄積
- これまでの経験や不安
- 睡眠やストレス
- 生活環境
など、さまざまな要素が関わっています。
それらが重なり合い(パレットの上で様々な色を混ぜた時のように)、
今の身体の反応として「痛み」が表れていると考えられています。
見ているのは「原因」ではなく「今の反応」
あんのん接骨院の整体では
- 動いた時の感覚
- 触れたときの反応
を確認しますが、
それは「悪いところを見つけるため」ではありません。
神経が今、どんな刺激を警戒しているのか
どんなときに安心できるのか
その手がかりを探しています。
痛みがあると、
動きや姿勢が変わるのは自然な反応です。
それは「間違い」でも「悪い癖」でもありません。
その時の痛みをかばった姿勢や動作を、「これが原因だ」と決めつけて評価しても、
あまり意味はないように感じています。
なぜなら、姿勢や動きはその人の痛み・不安・環境・経験など、
さまざまな状況によって、その都度変わるものだからです。
それを真っすぐになるように修正するように頑張ったとしても、
身体がまだ「怖い」「危ない」「痛い」と感じているうちは、
うまくいかないことも多いように感じます。
小さな「安心」を積み重ねる
その方の場合も、
- 触れられたときの感覚
- ゆっくり動かしたときの違和感の変化
- 姿勢を変えたときの反応
こうした小さな変化を一緒に確かめていきました。
すると、
「この動きやったら大丈夫や」
「さっきより怖くないわ」
「動いても痛くない」
そんな言葉が少しずつ増えていきました。
「治す」よりも、「コントロールできる感覚」
痛みがあると、多くの方は
「どうにかして減らさなきゃ」
「早く元に戻さなきゃ」
と考えます。
これは、とても自然なことです。
ですが、近年の痛みの研究では、
痛みは単に壊れている所を修正すれば消える、という単純なものとは考えられていません。身体が自分自身の情報をどう処理して反応しているか、という側面が大きく関わっています。
痛みは、神経の「学習」の結果でもある
長く続く痛みでは、
身体の組織そのものよりも、
神経が「危険かもしれない」と強く警戒し続けている状態が関わっていることがあります。
これは、神経が壊れているという意味ではありません。
- 動かしたとき
- 触れられたとき
- 姿勢を変えたとき
そうした時の身体に入る刺激に対して、
過去の経験(痛かった・つらかった)をもとに判断した結果、過敏に応答しすぎている状態とも言えます。
神経はとても柔軟で、経験によっても反応の仕方を変える性質を持っています。
「安心できた体験」が、神経の反応を少しずつ変える
施術や日常動作の中で、
- 「思ったより大丈夫だった」
- 「この動きは怖くなかった」
- 「姿勢を変えたら楽だった」
そんな小さな安心の体験が重なると、
神経は少しずつ、
「ここまでは安全」
「この姿勢は危険じゃない」
と学び直していきます。
その結果として、
痛みや不安が和らいでいく可能性が高まります。
痛みは「頑張って」消すもの?
痛みの変化は、
気合いや根性で勝ち取るものではありません。
無理に前向きになる必要も、
我慢して耐える必要もないと思っています。
安心できる経験が積み重なった結果として、
あとから静かについてくるもの
それが、痛みの変化なのかもしれません。
あんのん接骨院では、
「治してもらう場所」ではなく、
自分の身体の感覚を、少しずつ取り戻していく時間を大切にしています。
このページを作成するにあたって参考にした研究・論文・書籍の詳細はこちら
当院のやさしい整体の考え方についてはこちらのページでも解説しています。
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あんのん接骨院の施術の考え方については
👉「はじめての方へ」も参考にしてみてください。
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