脳でもニューロンが毎日誕生しています

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「成人した人の脳では脳細胞の新生は起こらない」と長年信じられて来たが、脳には幹細胞(※1)が存在していて、ニューロンの増殖、分化、成熟が日々起きている。その存在部位の1つが、海馬歯状回の顆粒細胞層下帯であって、ここで誕生した新生ニューロンは生育・成熟して、記憶機能を担う既存の細胞群に合流していく。
引用:半場道子/慢性痛のサイエンス/医学書院

海馬歯状回(かいばしじょうかい)の顆粒細胞層下帯(かりゅうさいぼうそうかたい)ではニューロンが新生され1~2か月のうちに機能的に成熟し、記憶の形成に関わると考えられています。

しかし、ニューロンの新生が起こった後に生育できなければ記憶機能を発揮できずに脱落してしまうそうです。海馬の新生ニューロンの生育に必要なのが脳由来神経成長因子(BDNF)や線維芽細胞成長因子-2(FGF-2)と呼ばれる生理活性物質(※2)です。これらはどうやったら手に入るでしょうか。なんと、筋運動を継続すると骨格筋細胞から放出されるそうです。

また、BDNFやFGF-2などの生理活性物質が十分放出されないと海馬の新生ニューロンは衰えてしまいます。だとすると運動の継続がこのニューロンの生育のカギを握っているという事になります。

そして、この運動の種類ですが20~30分の有酸素運動(額に汗がにじむ程度)が良いそうです。
なぜ20-30分の運動持続が必要かというと様々な生理活性物質が血流に乗って各臓器に運ばれるのにそれぐらいかかるそうです。

1年間の有酸素運動習慣が記憶力の向上をもたらす事を示唆する実験の結果もあります。

「こんなに良い事がはっきりと分かっているなら有酸素運動やるしかないぞ!」と、開眼いたしました。ついにスリムになる時が・・・!

※1:幹細胞は、自己複製能と様々な細胞に分化する能力(多分化能)を持つ特殊な細胞である。 この2つの能力により、発生や組織の再生などを担う細胞であると考えられている。

※2:生理活性物質とはわずかな量で生き物の生理や行動に何らかの特有な作用を示し、身体の働きを調整する役割をもった物質のこと。

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