やっぱり身体を動かすことは大切。ただし・・・。

「運動をする事は身体に良い」と良く聞きます。
運動が身体に良い事は知っているけど、何で良いんでしょうか?
カロリーを消費するから?将来に向けての貯筋・・・?

結論からお話すると、軽い運動は慢性的な痛みを改善させたり、
内臓で起こる炎症を防いだりしてくれるんだそうです。
でも、それだけじゃないんですよ!もっと沢山いいことがあるんです。
ただし、気を付けなければいけないのは・・・。

筋肉は運動を起こすための組織とばかり思っていましたが、
それだけではなくて動かすと身体に良い分泌物が出ます。
まるで体中に薬箱があるみたいですね。

筋肉を動かす運動をすると成人病の予防に繋がったり、
サルコペニア(加齢や疾患で身体機能の低下が起こること)の防止につながります。
骨格筋を収縮させると、多くのサイトカイン(細胞から分泌されるたんぱく質)や
ペプチド(アミノ酸が繋がった分子)が産生されたり分泌される事が知られています。

筋細胞から分泌された生理活性物質は血流やリンパで脳、肝臓、すい臓、脂肪組織、
骨などのさまざまな臓器に運ばれます。そしてその各々の場所で作用します。
その一つにPGC1-αがあります。

PGC1-αは慢性炎症を防いだり、記憶力を向上させたり、老化を減速させたりしています。
この魅力的な物質が産生・分泌される条件は「軽い運動を続けている時」です。

気をつけなければいけないのは「強い筋運動」を行った時には
「炎症性サイトカイン」が体内に急増するそうです。
これは慢性炎症を促進する方向に促すもので、PGC1-αと逆の働きになってしまいます。
その結果、関節軟骨で炎症が起こり、変形性関節症の悪化や疲労骨折と結びつくといいます。
頑張りすぎは良くないって事ですね。

さらにPGC1-αはミトコンドリア(細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのATPを産生)の数を
増加させたり、酸化ストレスを抑制して老化を防いだり、慢性炎症を基盤にしたアルツハイマー病、
パーキンソン病、変形性関節症、2型糖尿病、各種のがんを抑制しています。

うおおー!凄い!「軽い運動」っていい事がもり沢山なんですね!
どうしても「運動」という単語を聞いてしまうと汗いっぱい頑張る感じに捉えてしまいますが、
軽い運動でいいんですよ!
ということで、外に出られない時は、私はとても低い段差を利用して30分の階段昇降運動を行っています。
皆さんも自分に合った「軽い運動」を見つけてみて下さい!

参考・引用書籍:半場道子/慢性痛のサイエンス/医学書院

※サイトカイン・・・細胞から分泌されるたんぱく質で生理活性物質の総称。
※ペプチド・・・アミノ酸が結合により短い鎖状につながった分子の総称。

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