肩甲背神経を見てみます。

「肩こり」に悩む方で「肩甲骨の間」や「くび」にコリや違和感を感じる人は多いように思います。

今回は肩甲骨と脊柱の間に分布している肩甲背神経を見てみようと思います。
肩甲背神経は通常、第5頚神経根(C5)から始まります。(時にはC4やC6からの寄与もある。)

肩甲背神経は頸椎の外側を下降し、中斜角筋を貫通したり、貫通せずに後方を通過したりして肩甲骨と脊柱を渡る菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)と肩甲挙筋に向けて筋枝を分布します。

主に大・小菱形筋と肩甲挙筋を支配し、これらの筋肉の運動機能を支配しています。菱形筋は肩甲骨を内側に引き寄せたり、肩甲挙筋は肩甲骨を引き上げる作用を持っています。
肩甲背神経の損傷や圧迫は、これらの肩甲骨の動きに影響を及ぼします。また、肩甲骨の間や首などに痛みや違和感を引き起こす可能性があります。

特に、デスクワークでPCを見ながら作業している時やスポーツ、お子様がまだ小さく頻繁に抱っこが必要な時などは背中の神経にも負担が生じやすいです。

当院には普段からデスクワークが多く、肩こりや首のコリに悩む方も来院されます。キーボードが体幹と離れていたり、頭部が体幹の中心から前方に移動すると、肩甲背神経に一層のストレス(引っ張られたり、圧迫されたり)が加わる可能性も考えられます。

肩甲骨や頭部が自然と脊柱の中心に寄るように(神経が窮屈な状況にならないように)椅子の高さやキーボード、モニターの位置などを調整するのも良いかも知れませんね。

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