神経系とは
神経系(Nervous system)は主に神経細胞の繋がりによって形成される情報伝達のネットワークととらえることができます。神経系は、身体の内外からの刺激を感知し、それに応じて適切な反応を生成する重要な役割を果たしています。
感覚器官からの情報を受け取り(入力)、それを解釈・処理して適切な行動(出力)を制御することによって、環境に適応・生存を維持することが可能になります。
例:熱いやかんに手が触れてしまって(入力)→(中枢神経での情報処理)→とっさに手を引っ込めた(出力)
例:母親に背中を擦ってもらうと(入力)→(中枢神経での情報処理)→気持ちが落ち着いて眠くなってきた(出力)
例:寒くなってきたので(入力)→(中枢神経での情報処理)→上着を着た(出力)
例:背中を指で強く押してもらうと(入力)→(中枢神経での情報処理)→痛みを感じた(出力)
神経系は入力する器官と出力する器官との連絡をとって身体を調整しています。
まとめ:神経系の働きによって「身体の内外から情報入力(インプット)→中枢神経(脳・脊髄)で情報処理→処理された情報に応じた出力(アウトプット)」が行われます。神経系は解剖学的に中枢神経と末梢神経に分類されます。
脳・脊髄を中枢神経系、この中枢神経と末梢を繋ぐのが末梢神経系です。
加えて:「痛みは脳からの出力」と言われますが「痛み」という反応は入力情報ではなく、出力情報だという観点で「痛み」を考えてみますと中枢神経の情報処理によって、出力(痛み)の程度は変わる事になります。皮膚への刺激、嗅覚や視覚から入る情報、聴覚から入る情報、経験や記憶…など、中枢神経での情報処理に利用される様々な情報が痛みを調節している可能性があります。