神経が圧迫されるときは、神経だけが圧迫される?~しびれと血流と炎症~

「手がしびれる」「正座をして足がジーンとする」――こうした経験は誰にでもあると思います。
この「しびれ」の正体は、ただの一時的な感覚ではなく、神経の中を通る血流と深く関係しています。

目次

神経と血流の関係

神経は、電気のコードのように体の中で情報を伝えています。その内部には細い動脈が走っており、酸素や栄養を神経に運んでいます。また同じように、細い静脈も神経の中を走っており、神経から血液を排出しています。

しかし、神経が 引っ張られる(伸張)・こすれる(摩擦)・押される(圧迫)・強く締めつけられる(絞扼) などのストレスを受けると、神経内の血流が悪くなります。

神経への圧迫はまず静脈の流れを妨げ、その後に動脈の血流や酸素供給まで障害されることが知られています。その結果、神経の伝達がスムーズにいかなくなり、そのサインとして 「しびれ」 が現れます。

しびれが長引くと何が起こるのか?

一時的なしびれなら、血流が回復すれば自然に治まります。
しかし、圧迫や摩擦が長く続くと次のような変化が起こります。

  1. 神経の中に「むくみ(浮腫)」が生じる
    圧迫が持続すると神経内圧が上昇し、浮腫が拡大することが確認されています。
  2. 痛みを感じる神経が反応し、炎症が起こる
    侵害受容線維(侵害刺激を感じ取る神経)が刺激を受け、炎症性物質が放出されます。
  3. さらに内圧が高まり、血流が悪化する
    この悪循環によって神経の環境が悪化します。
  4. 結合組織が硬くなる(瘢痕化)
    長期的には線維芽細胞が活性化し、神経のまわりに硬い組織が形成され、回復を妨げます。

一つの可能性として「しびれ → むくみ → 炎症 → 硬化 → 血流障害の悪化」 という流れで症状が慢性化してしまうことも考えられます。

正座のしびれは一時的。繰り返すしびれは…?

正座や長時間の同じ姿勢で足がしびれるのは、一時的に神経や血管が圧迫されて血流が滞るからです。通常は姿勢を変えたり、立ち上がれば回復します。

でも、もししびれや痛みが長引く、あるいは繰り返し起こるようなら、慢性的な神経の血流障害や炎症が起きている可能性も考えられます。

まとめると…

  • 神経の中にも血流があり、酸素や栄養に支えられて働いています。
  • 圧迫や摩擦による血流障害は「しびれ」として現れる可能性があります。
  • 長引くと炎症や瘢痕化が起こり、悪循環に陥ることも考えられます。
  • 研究で「神経の血流障害がしびれや痛みに深く関与している」ことが示されています。

    つまり、「ただのしびれ」と軽く考えず、繰り返す場合や長引く場合は注意が必要です。

やさしく神経にアプローチしませんか?

末梢神経に圧迫を加えると、神経内の血流が容易に阻害される可能性があります。
ウサギの脛骨神経(下腿の神経)で行われた研究ですが、「20~30 mmHgの圧力ですでに細静脈血流の阻害が観察され、40~50 mmHgで細動脈および束内毛細血管の血流は阻害されました。60~80 mmHgでは神経への血流は観察されませんでした。神経に圧迫を加えることは血管への機械的損傷により神経内微小循環の永続的な障害を引き起こす可能性があると結論付けられます。(引用:Effects of graded compression on intraneural blood flow Rydevik et al., 1981; Lundborg, 1988)

ゴリゴリ肘で背中を押す揉みほぐし…。首に捻転力を加えるボキボキ整体…。
本当に身体にとって良いことなのか、そして安全なのか…。色々な考え方があるかも知れませんが少なくとも、ほんの少しの圧力や伸張力で神経への血流は止まる可能性があります。

神経へのケアは強い刺激ではなく、神経が安心できるやさしいアプローチが効果的でおすすめです。たとえば、当院で行っているDNM(Dermo Neuro Modulating)は、神経系に働きかけ、
「もう大丈夫ですよ。安心してくださいね!」と伝えてあげるような方法です。
繰り返す痛みが気になっておられる方にも、相性がいい徒手療法です。是非お試し下さい!

あんのん接骨院は予約制
お問い合わせはお気軽に /


075-323-0925

施術中・外出中電話にでられない事がございます。

目次