施術を受けていて、ウトウト…。身体がリラックスしてきて良い気持ちになったり、眠くなった経験は有りませんか?
マッサージやストレッチなど、人の手を用いた施術は痛みの軽減やリラクゼーションを目的として広く行われています。これらの施術効果の一つには、体内で生成される「オピオイド」と呼ばれる鎮痛物質が関与しています。
しかし、施術の効果がすべての場合で一定ではないことをご存じでしょうか?
その理由を説明できる要因の一つが「ストレス」と「コレシストキニン(CCK)」の関係です。
古代よりケシから作られるアヘン(阿片)に痛みを抑制させる鎮痛作用があることが知られていました。
また現代ではこのアヘンの有効成分がモルヒネとして知られています。
そして「オピオイド」とは、このモルヒネ様の作用をする物質の総称です。
特に身体の中で作られるオピオイドを内因性オピオイドと呼びます。この内因性オピオイドは強い鎮痛物質で、エンドルフィンやエンケファリン、ダイノルフィンと呼ばれる神経伝達物質が含まれます。これらは、痛みの感受性を低下させ、鎮痛やリラクゼーションを促進する役割を持っています。施術では、これらのオピオイドが放出されることによって、施術後に痛みの軽減や眠気、心地よいリラックス感が得られることが多いのです。
それとは別にこのオピオイドの放出を抑制する物質として知られているのは「コレシストキニン(CCK)」です。
ストレスは、私たちの体にさまざまな影響を与えますが、その一つに「コレシストキニン(CCK)」の分泌増加があります。CCKは、主に消化器系で働くホルモンで、食欲の抑制や消化の促進を行うことが知られていますが、脳内でも重要な役割を果たします。特にCCKがオピオイドの効果を抑制する作用を持っているという点については注目するべきです。
ストレスが引き起こすCCKの分泌増加は、オピオイドの鎮痛作用を弱めることが明らかになっています。これにより、通常であれば徒手療法によって得られるはずのリラクゼーション効果や鎮痛効果が、ストレスの影響で十分に発揮されない場合があるのです。
例えば、慢性的なストレス状態にある方がマッサージやストレッチを受けた場合、CCKが過剰に分泌されているために、施術によるオピオイドの放出やその効果が抑制される可能性があります。結果として、施術後のリラクゼーション感が薄れたり、痛みが思うように軽減されなかったりすることがあります。つまり、同じ施術を受けたとしても状況によって、抱えている心配や不安によって、施術をしてもらう相手との関係性によって、日常生活での運動量、十分な睡眠が取れているかどうか…、さまざまな要因によって個人差が生まれてくることが想像できます。
施術が効果を発揮するためには、体内のオピオイドが十分に働くことが必要です。しかし、ストレスによるCCKの分泌増加がその効果を妨げることがあります。
したがって、施術の効果を最大限に引き出すためには、ストレス管理と心身の健康を保つための総合的なアプローチが必要になります。というわけで、自分自身のストレスに注意を払い、適切な身心のケアを心がけることで、施術の恩恵をより多く受けることができるのではないでしょうか。
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