慢性痛と意欲

身体の痛みを抑制(痛みを楽にする)する機能の中に中脳辺縁ドーパミン系(Mesolimbic dopamine system)と呼ばれるものがあります。これは「快の情動」を操るシステムとして知られています。

最近では慢性痛を持つ人はこの中脳辺縁ドーパミン系の機能低下を起こし、その結果、快感を感じにくくなることや、生きる意欲、やる気がなくなってしまう事が分かってきました。

慢性痛を持つ方は痛みに過敏になるだけでなく、その症状と並行して何かに意欲的に取り組んだりする事が難しくなる可能性があります。この事実がかつての「花粉症」のごとく市民権を得て、考慮されるようになって欲しいですね。
もしかすると「最近あいつはやる気がないな」「もっと意欲的に勉強してほしい」そう思って見ている対象の人が「痛み」に長く悩んでいたなら・・・。
そういった他人に理解してもらえない状況に苦しんでおられるかも知れません。

痛みに悩む方にとって、周囲の方の親切がその人の助けになる事は間違いありません。
痛みがあるだけで、いつもの能力を発揮できない。そういった状況を考慮する環境
はまだ少ないように思います。

参考書籍:半場道子・医学書院・「慢性痛のサイエンス」

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