ニューロ・マトリックス

身体の痛みを感じている時、実はその「感じ方」を決定している要素は色々とありますよ。というお話です。ニューロ・マトリックスはメルザックさんが幻肢痛(足が切断され、無いはずなのにその足の指先が痛むなど)の仮説として提唱した概念です。

脳には痛みに関連する情報を統合して処理するニューロマトリックス(神経線維網)という機構があり、身体の中や外からの刺激情報は,感覚・認知・情動系のネットワークからできているニューロマトリックスの中で統合され、その結果が出力されます。

2013年のMelzackとKatzによるPainという論文では「痛みは、文化的学習、状況の意味、注意、および他の心理的可変性によって影響を受ける個人的で主観的な経験です。痛みのプロセスは受容体の刺激から始まりません。むしろ、損傷または疾患は、過去の経験、文化、ほかの多くの環境的および個人的要因の回路基盤である、能動的な神経系に入る神経信号を生成します。これらの脳のプロセスは、感覚入力全体からの情報の統合、抽象化、選択に積極的に関与します。痛みはシンプルな線形の感覚伝達システムの最終結果ではありません。複雑な上行と下行システム間の連続的で相互作用をともなう、ダイナミックなプロセスです」
と言っています。うん・・・何だか難しいですね。

極端に言えば、ケガをしていても、
ケガをしていなくても痛む事があります。
腰痛があったけど、会社の部署が変わった途端に良くなるパターンも考えられますし、
「雨の日は痛む」という学習があった人にとっては雨の日は脅威かも知れません・・・。
「痛み止めを飲んでも痛むし、ブロック注射も効果が無かった」
なんていうことも考えられるかも知れません。
つまり、本当に色々な要素がミックスされ、脳がそれらの要素を予測する材料として使い、出力されるのが痛みで、またそれも人によって違うという・・・なんともはっきりしない現象ですよね。
なので「痛み」は「これが痛みの原因だ!」と、実は明確に答えられるものでもないという話です。
痛みって本当に複雑ですよね・・・。


★参考書籍:著者 ダイアン・ジェイコブス/題目 デルモニューロモジュレーティング日本語版 第2版/製作 岩吉 新

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