グリア細胞の役割について
部屋が散らかっていたり、机の上がぐちゃぐちゃだったりすると「ボールペンどこいったっけ?」「帽子がなくなっちゃった!」といったことが起こりますよね。急いでいる時にそんなことが起こってしまうとどうして片づけをしなかったのか…と悔やんだりもします。日頃から使う場所や物は整理されていた方が効率がいい…。神経系についても同じようなことが言えるかも知れません。
グリア細胞は、神経系においてニューロン(神経細胞)を支援する重要な細胞として知られています。「グリア」とは日本語でいうと「膠(にかわ)」のことで、隙間を埋めるパテのような存在です。しかし、グリア細胞の役割は単に神経細胞同士の隙間を埋めるだけではありません。ニューロンに栄養を供給したり、損傷したニューロンを修復したり、ニューロンから出る老廃物を処理したりと、神経系全体の健康を維持するために多くの仕事をこなしています。つまり、グリア細胞は神経系の「メンテナンススタッフ」ともいえる重要な存在です。
グリア細胞にも種類があります。例えば、中枢神経(脳や脊髄)で活躍するグリア細胞には、以下のような種類があります。
アストロサイト:
アストロサイトは、ニューロンと血管の間を繋ぎ、物質交換を行っています。ニューロンに栄養を供給するだけでなく、神経伝達物質の再取り込みやシナプス(神経同士の接続部)の形成と修復にも関与しています。また、血液脳関門というバリアを作り、脳を外部からの有害物質や病原体から保護する役割も果たしています。
オリゴデンドロサイト:
オリゴデンドロサイトは、中枢神経内でニューロンの軸索を覆うミエリン鞘を形成し、電気信号の伝導速度を高めます。このミエリン鞘は、電気コードの絶縁体のように機能して神経信号が素早く正確に伝わるのを助けます。
ミクログリア:
ミクログリアは、中枢神経内での免疫細胞として機能し、異物や損傷を検知してそれらを除去する役割を持っています。また、炎症反応の制御や、神経系の損傷修復にも関与しています。
一方、末梢神経(脳神経や脊髄神経)で活躍するグリア細胞には、以下のような種類があります。
シュワン細胞:
シュワン細胞は、末梢神経でニューロンの軸索を覆うミエリン鞘を形成します。1つのシュワン細胞は1つの軸索の一部だけを覆い、神経信号の高速伝導をサポートします。また、損傷した神経の再生を助ける機能も持っています。
サテライトグリア細胞:
サテライトグリア細胞は、末梢神経の神経節(ニューロンの細胞体が集まる場所)を取り囲み、ニューロンに栄養を供給し、末梢神経の健康を維持します。また、神経細胞の保護や修復にも関与しています。
グリア細胞は、神経系の正常な機能を維持するために不可欠であり、ニューロンと同様に脳の健康と疾患に影響を与えています。ちなみに、このグリア細胞が加齢や慢性炎症、外傷や感染症、自己免疫の反応、代謝異常などによって機能不全に陥ったり障害を受けると、神経系の様々な疾患の原因となることがあります。
慢性疼痛とグリア細胞の関係について:
腕や脚を怪我した後、治癒したはずの部位が長期間にわたり痛み続けることがあります。このような難治性の慢性疼痛(アロディニア)では、怪我が治った後も、軽く触れるだけで強い痛みを感じることがあります。これらの痛みにもグリア細胞が関与していることが分かっています。
慢性的な痛みを持つ方の場合、その痛みは単に身体の損傷だけでなく、脳内の神経回路の変化によって引き起こされる可能性があります。徒手療法の中には色々な施術の方法や評価の方法がありますが、そもそも痛みの背景には、神経系全体の複雑な反応が関わっているのですね。
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