「侵害刺激」が脳に届くまで

身体にはセンサーが付いていて、刺激を受けるとセンサーが作動し、そのセンサーの情報は脳にまで送られます。足を家具にぶつけると(侵害性の刺激を加えると)、足についているセンサー(侵害受容器)が興奮(活性化)します。センサーの情報(侵害刺激情報)は背骨の中を通る脊髄神経(脊髄後角のニューロン)に伝達されます。
そして、脊髄神経の中を侵害刺激情報が通り、視床(間脳)→大脳(大脳皮質)まで送られ、痛みを感じます。


※侵害受容器:しんがいじゅようき・・・強い圧迫などの機械的刺激にのみ応答する「機械的侵害受容器」、45℃以上、5℃以下の極端な温度刺激に応答する「温度侵害受容器」とすべての侵害刺激(機械的、化学的、熱的)に応じるポリモーダル侵害受容器があります。そして、詳細がまだ分かっていない内臓で認められ炎症やさまざまな化学物質によって発火の閾値が劇的に低下すると活性化するサイレント侵害受容器があります。このサイレント侵害受容器の活性化は二次痛覚過敏と中枢性感作という2つの顕著な疼痛症候群に関連していると考えられています。機械的侵害受容器と温度侵害受容器はAδ神経線維の終末に、ポリモーダル侵害受容器はC線維の終末に認められます。また、サイレント侵害受容器は求心性軸索の自由神経終末に活動電位を発生させます。

※終末(しゅうまつ)・・・終わりの部分。神経線維の端のことを示します。
※Aδ神経線維(えーでるたせんい)・・・毎秒5~30mの速さで活動電位を伝える神経線維です。
※C神経線維(しーせんい)・・・毎秒1m以下の遅い伝導速度で活動電位を伝える神経線維です。
※軸索・・・神経細胞から出る長い突起。
※中枢性感作・・・痛みに関係する中枢神経系ニューロンの興奮性が増大すること。
※一次痛覚過敏/二次痛覚過敏・・・侵害刺激によって最初損傷部位の周囲に一時性痛覚過敏の領域ができます。その後、その領域を大きく囲んで二次性痛覚過敏の領域が徐々に広がっていきます。一次痛覚過敏の領域では温熱性と機械的刺激の両方に感受性を持つが、それに対して、二次性痛覚過敏の領域では機械的刺激だけを感じるのが特徴です。最近の研究では、トリガーポイントや圧痛点の現象も末梢神経由来の二次性痛覚過敏の領域として理解できる解剖学的および生理学的根拠があると示唆されています。

参考書籍:★DNM japan公式noteコラム「トリガーポイントは67年前の理論であり、末梢神経の二次性痛覚過敏によるもの」
★Eric R Kandel・「カンデル神経科学」・メディカルサイエンスインターナショナル
★Jenny strong・「臨床痛み学テキスト」・エンタプライズ

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